SSブログ
曲目解説 ブログトップ
前の10件 | -

オーボエ協奏曲ニ短調(マルチェロ) [曲目解説]

アレサンドロ・マルチェロ Alessandro Marcello (1669 - 1747)
オーボエ協奏曲ニ短調 Concerto per Oboe in Re minore S.Z799
作曲:1716以前

2018年上越公演演奏者(2楽章のみ)
 オーボエ:藤原 満
 ヴァイオリン:奈良秀樹、伊野江利子
 ヴィオラ:和田意織 チェロ:金山美樹
 チェンバロ:笠原恒則
 新潟県立高田高等学校管弦楽部弦楽セクション

II. Adagio
(I. Andante e Spiccato)
(III. Presto)

アレサンドロ・マルチェロは18世紀前半に活躍したイタリア、
ヴェネチア生まれの作曲家。弟のベネデット・マルチェロも
作曲家で、このオーボエ協奏曲は以前はベネデットの作曲と
言われていたが、最近の研究でアレサンドロの作品とわかっている。

オーボエ奏者が主人公のイタリア映画「ベニスの愛」(1970年)で
この曲の第2楽章が使われたことから世界的に有名になった。

またJ.S.バッハはこの曲をチェンバロ用に編曲しており(BWV974)、
このバッハ編曲版を用いたオーボエ演奏も多い。

なおバッハはイタリアには旅行していないが、ヴァイマル公子が
もたらしたマルチェロ、ヴィヴァルディなどの楽譜から約20曲を
チェンバロ、オルガン独奏用に編曲している。

楽譜:オーボエ協奏曲集 Jeanne Roger, Amsterdam 1717
Marcello初版表紙.jpg

共通テーマ:音楽

「アルチーナ」組曲(ヘンデル) [曲目解説]

ゲオルグ・フリードリッヒ・ヘンデル Georg Friedrich Händel (1685-1759)
 (ジョージ・フレデリック・ハンデル George Frideric Handel)
歌劇「アルチーナ」HWV34より器楽用組曲
作曲、初演1735年
編成:2Violin、Viola、Bass

2018年上越公演演奏者
 高田高校管弦楽団弦楽セクション有志
 (ヴァイオリン1,2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)

ヘンデルは多くのオペラを作曲しているが、「アルチーナ」は
その中でも魔法オペラといわれる傑作の1つで3時間を超える大作である。
今回はオペラの中にある踊り(バレエ)の場面で使われる器楽曲を
抜粋して演奏する。

1.Entrée アントレ(入場の音楽)
 ゆったりした行進曲のイメージ
2.Gavotte ガヴォット
 やや快速な2拍子の踊り
3.Sarabande サラバンド
 ゆったりした3拍子の踊り
4.Menuet メヌエット
 やや快速な3拍子の踊り
5.Gavotte ガヴォット
 やや快速な2拍子の踊り

楽譜:Friedrich Chrysander編ヘンデル協会版全集(1868)

共通テーマ:音楽

調子のよい鍛冶屋(ヘンデル) [曲目解説]

ゲオルグ・フリードリッヒ・ヘンデル Georg Friedrich Händel (1685-1759)
 (ジョージ・フレデリック・ハンデル George Frideric Handel)
調子のよい鍛冶屋 The Harmonious Blacksmith
 ハープシコード組曲第5番ホ長調 HWV430 終曲
出版:1720年

 チェンバロ:笠原恒則

ヘンデルは1720年にハープシコード組曲第1巻(全8曲)を
出版した。第5曲の第4楽章「エアと変奏」が通称
「調子のよい鍛冶屋」として特に有名である。

序奏の親しみやすい旋律を基に5つの変奏が展開される。
ヘンデル自身がつけた題名ではなく、通称の由来ははっきりしないが
19世紀初めにはこの通称で知られていた。

楽譜:IMSLP


共通テーマ:音楽

麗しのアマリーリ(カッチーニ) [曲目解説]

ジュリオ・カッチーニ
 Giulio Caccini (1551-1618)
麗しのアマリーリ Amarilli, mia bella
歌詞:Giovanni Battista Guarini
作曲:1601年以前

 ソプラノ:長谷川みちる
 チェンバロ:笠原恒則

カッチーニはルネサンスからバロック音楽の扉を開いたイタリア
初期バロックの作曲家。フィレンツェのメディチ家に歌手として
仕えながら、モノディ様式という新しい独唱スタイルを確立した。

この曲は1602年に出版された「新しい音楽」Le Nuove Musicheに
含まれている。イタリア初期バロックを代表する名曲である。
作曲当時はリュート(ギターの前身)弾き語りで演奏されていた
可能性が高い。

歌詞(イタリア語)
Amarilli, mia bella
non credi, o del mio cor dolce desio
d`esser tu l’amor mio?

Credilo pur: e se timor t’assale,
dubitar non ti vale.
Aprimi il petto e vedrai scritto in core:
Amarilli é’l mio amore.

歌詞対訳
私の美しいアマリーリ
信じてくれないのですか、私の心の優しい希望である人よ
あなたへの私の愛を

信じてください、不安が貴方を襲っても
疑うことはありません
私の胸を開けば、心に書かれていることがわかるでしょう
「アマリーリは私の愛」と

楽譜:Le Nuove Musiche初版、Firenze: li Here di Giorgio Marescotti, 1602

共通テーマ:音楽

カロ・ミオ・ベン(ジョルダーニ) [曲目解説]

トンマーゾ・ジョルダーニ
  Tommaso GIordani (1730-1806)
カロ・ミオ・ベン(愛しい人よ) Caro mio ben
歌詞:不詳
初演:1783年頃

2018年上越公演演奏者
 バリトン:長谷川徹 オーボエ:藤原 満
 ヴァイオリン:奈良秀樹、伊野江利子
 ヴィオラ:和田意織 チェロ:金山美樹
 高田高校管弦楽団弦楽セクション

トンマーゾ・ジョルダーニはナポリに生まれ、18世紀後半に
イングランドとアイルランドで活躍した作曲家。
ヨーゼフ・ハイドンとほぼ同年代であり、曲調はすでに
バロックよりも古典派の雰囲気の方が強い。

「愛しい人よ、信じておくれ」と愛する女性への思いが
単純だが美しい旋律に乗せて歌われる。
音楽の教科書にも載っている有名曲。

19世紀にパリゾッティが編集したイタリア歌曲集を元に
バロックアンサンブル上越用に編曲して演奏する。
パリゾッティが作曲者をジュゼッペ・ジョルダーニと
して出版したため、ジュゼッペの作曲とされていたが、
現在はトンマーゾ作と考えられている。

歌詞(イタリア語)
Caro mio ben, credimi almen,
senza di te languisce il cor,
Il tuo fedel sospira ognor.
Cessa, crudel, tanto rigor!

歌詞対訳
愛しい人よ、信じておくれ
貴方なしでは私の心は弱ってしまう
貴女に忠実な私はいつもため息をついている
残酷なことはやめてください
むごすぎます

楽譜 IMSLP
出版:Arie Anteche 第2集 (1890) Milano: G. Ricordi.

共通テーマ:音楽

私を泣かせてください(ヘンデル) [曲目解説]

ジョージ・フレデリック・ハンデル(ヘンデル)
  George Frideric Handel (1685-1759)
私を泣かせてください Lascia ch'io pianga
歌詞:ジャコモ・ロッシ(Giacomo Rossi)
初演:1711年、ロンドン

2018年上越公演演奏者
 ソプラノ:長谷川みちる
 ヴァイオリン:奈良秀樹、伊野江利子
 ヴィオラ:和田意織 チェロ:金山美樹  チェンバロ:笠原恒則
 高田高校管弦楽団弦楽セクション

オペラ「リナルド」(Rinaldo, 1711年)第2幕、囚われの身になった
ヒロイン、アルミレーナが恋人リナルドを想って歌う美しいアリア。
この旋律はヘンデルのお気に入りで、オペラ「アルミーラ」(1705)、
オペラ「時と悟りの勝利」(1707)でも使われている。

「オンブラ・マイ・フ」と並び、ヘンデルの有名曲であるが、
昼のテレビドラマ「牡丹と薔薇」「新・牡丹と薔薇」で使われて
有名になった(らしい)。

歌詞(イタリア語)
Lascia ch'io pianga mia cruda sorte,
e che sospiri la libertà.
Il duolo infranga queste ritorte,
de' miei martiri sol per pietà.

歌詞対訳
私の残酷な運命に泣くことをお許しください
そして自由にあこがれることをお許しください
私の悲しみが苦難の鎖を断ち切ってくれるように
苦悩のうち、ただ祈るだけ

楽譜:ヘンデル協会版

共通テーマ:音楽

水上の音楽より序曲(ヘンデル) [曲目解説]

ゲオルグ・フリードリッヒ・ヘンデル
 Georg Friedrich Händel (1685-1759)
(ジョージ・フレデリック・ハンデル
 George Frideric Handel)
水上の音楽 第1組曲HWV348より序曲
 Water Music HWV348 Ouverture

初演:1715年?
編成:2Violin、Viola、通奏低音、2Oboe

2018年上越公演演奏者
 オーボエ:藤原 満
 ヴァイオリン:奈良秀樹
 ヴァイオリン:伊野江利子
 ヴィオラ:和田意織
 チェロ:金山美樹
 チェンバロ:笠原恒則

水上の音楽はイングランド王ジョージ1世の船遊びの音楽として
作曲された。初演は1717年ロンドンのテムズ川で行われ、
その後も繰り返し演奏された。
20曲以上の小曲からなるが、オリジナルの楽譜は失われており、
複数の復元編集版がある。

第1組曲の序曲はフランス風のゆったりした序奏に続き、
フーガ風の軽快な掛け合いの明るい主部に入る。
原曲は2名のヴァイオリン独奏が入る合奏協奏曲の形式で
書かれている。

楽譜:IMSLP 手稿パート譜(Grundig, 1731-35)

共通テーマ:音楽

音楽の捧げ物(バッハ) [曲目解説]

ヨハン・ゼバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685-1750)
音楽の捧げ物 Musikalisches Opfer BWV1079より

3声のリチェルカーレ Ricercare
2016年上越公演、佐渡公演演奏者
 チェンバロ:笠原恒則

5度のカノニカ Fuga Canonica in Epidiapente
2016年佐渡公演演奏者
 ヴァイオリン:奈良秀樹、十河佐智子(特別賛助)
 チェロ:中務浩(特別賛助)

作曲:1747年
1747年バッハはプロイセンのフリードリヒ大王の宮廷に招かれ、
王から与えられた旋律を使って即興演奏を行った。2ヶ月後その
主題を基に16曲の曲集を仕上げ、「王の命による主題と付属物を
カノン様式で解決した」と献辞を付け王に献呈した。

献辞はラテン語で"Regis Iussu Cantio Et Reliqua Canonica
Arte Resoluta"とあり頭文字をつなぐと"RICERCAR"となる。
リチェルカーレとはフーガあるいはカノンの様式の古い名前で
あり、言葉遊びの一種である。

2曲のリチェルカーレと10曲のカノンについては楽器編成や
曲順など不明で、演奏者の創意に委ねられている部分が大きい。

王の主題
RIC.jpg

3声のリチェルカーレ
チェンバロ1台で演奏される。曲集の中では
比較的単純な曲ではあるが、1台の楽器で一つの主題から
3つの声部が見事に展開される。

5度のカノニカ
高音の2声部が5度(ド−ソの関係)で追いかけ、絡み合う。
今回は高音をヴァイオリン2台、低音をチェロで演奏する。

楽譜:初版、旧バッハ全集31.2、新バッハ全集VIII/1

共通テーマ:音楽

春(ヴィヴァルディ) [曲目解説]

アントニオ・ヴィヴァルディ Antonio Vivaldi(1678-1741)
 「和声と創意の試み」作品8第1集「四季」より
 ヴァイオリン協奏曲第1番ホ長調「春」第1楽章 "La primavera"
初版:1725年
ソネット:ヴィヴァルディ作?

2018年上越公演演奏者
 ヴァイオリン:伊野江利子(ソロ),奈良秀樹
 ヴィオラ:和田意織 チェロ:金山美樹
 チェンバロ:笠原恒則
 高田高校管弦楽団弦楽セクション

2016年佐渡公演演奏者
 ヴァイオリン:奈良秀樹(ソロ),十河佐智子(特別賛助),伊野江利子
 ヴィオラ:渡辺みほ チェロ:中務浩(特別賛助)
 チェンバロ:笠原恒則

ヴィヴァルディはヘンデル、バッハとほぼ同時期のイタリアの作曲家。
「四季」はクラシックのヴァイオリン協奏曲の中でも最も有名なもので
「春」「夏」「秋」「冬」の4曲からなり、それぞれの楽章には
ソネット(4行詩)がついている。

「春が来てはしゃぐ小鳥たちは陽気な歌でよろこび迎え、泉は
そよ風の息吹に、やさしくこんこんと湧き出る。黒いマントで空を
覆いつつ、気高い稲妻と雷が春の到来を告げに来る。口上が終わった
あとに 小鳥たちが再び、魅惑的な声で歌い出す。」

楽譜:初版Michel-Charles Le Cène、リコルディ社全集版
Bärenreiter社版(C. Hogwood編)

共通テーマ:音楽

カノン(パッヘルベル) [曲目解説]

ヨハン・パッヘルベル Johann Pachelbel (1653-1706)
3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノン ニ長調
Canon a 3 Violini con Baßo continuo
作曲:1680年頃

2018年上越公演演奏者
 ヴァイオリン:伊野江利子, 奈良秀樹, 和田意織
 チェロ:金山美樹、チェンバロ:笠原恒則
 高田高校管弦楽団弦楽セクション

2016年佐渡公演演奏者
 ヴァイオリン:奈良秀樹,十河佐智子(特別賛助),伊野江利子 
 ヴィオラ:渡辺みほ チェロ:上野敦子 、中務浩(特別賛助)
 チェンバロ:笠原恒則

パッヘルベルはJ.S.バッハより一世代上のドイツの作曲家。
バッハ家と親交があり、J.S.バッハの長兄ヨハン・クリストフ・
バッハはパッヘルベルの弟子。

カノンは一つの旋律を楽器や歌で順番に開始して演奏する曲の形式。
この曲では2小節ずつずらして3台のヴァイオリンが同じ旋律を
演奏する。原曲の編成にヴィオラで和声を追加して演奏する。

楽譜:自筆譜(ベルリン国立図書館)

共通テーマ:音楽
前の10件 | - 曲目解説 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。